KORN (of KORN)

KORN
(1994/10/11)
KOЯN
★★★★★
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アメリカのメタルバンド、Kornのファーストアルバムで、アメリカレコード協会からマルチプラチナ認定(200万枚)された。【RIAA

メタルにアバンギャルドを持ち込んだパイオニア的作品。本作の売り上げ枚数は、全世界で1千万に上る。本作のテーマは、ドラッグと幼児虐待で、その怪しげなアルバムアートワークと同様に陰鬱。【Wikipedia: Korn (album)

極限まで陰鬱さと暴力性を追求した、おどろおどろしい作品だが、聴けば聴くほど「芸術性」が高い。その重苦しいサウンドを実現するための、ギターで鳴らされる不協和音は多彩で、創意工夫に溢れる。そのアニミズム的雰囲気は中毒性があり、また、間欠的に現れるユダヤ・キリスト教的荘厳さがサウンドを神秘的なものにしている。


KORN

1. Blind (1st single)

★★★★★
Music Video】 【歌詞和訳
陰鬱さを構成するための静と動のコントロール、極限まで重くしたギターリフ、グルービーなリズム、フラストレーションを吐き出す叫びや呻き、全てが奇抜。

2. Ball Tongue

★★★★★
YouTube】 【歌詞和訳
鳴り響く不協和音とメロディを破壊するボーカルに特徴がある曲。プリミティブな感情を呼び起こすような叫び、土着宗教の呪術を唱えているかのようなうなりは中毒性がある。

3. Need To (2nd single)

★★★★☆
歌詞和訳
重低音のサイレンのようなギターリフと打楽器のようなベース、喉がなるほどの唸り声が純粋にかっこいい。

4. Clown (4th single)

★★★★☆
Music Video】 【歌詞和訳
聴けば聴くほどギターにある種の芸術性を感じる曲。這いずり回るようにうねるギター、多重に重ねられる不協和音などそのパターンは多彩。

5. Divine

★★★★☆
歌詞和訳
ハイテンポに繰り出される、打つような唸り声が抜群にすさまじい。

6. Faget

★★★★☆
地を這うようなイントロで始まる。ガリっとしたリフが特徴的な陰鬱な楽曲。特に後半が壮絶。

7. Shoots and Ladders (3rd single)

★★★★★
Music Video】 【歌詞和訳
ジョナサンのバグパイプで始まる。土着的なリズム、呪文のような呟きを繰り返すコーラスが禍々しい。気だるそうなボーカルも何故か心地よく、ラストに向かうほど暴力的になるその声はくせになる。

英語圏における6つの童謡のフレーズを引用した歌詞。

8. Predictable

★★★☆☆
ヴォーカルサウンドは気だるく、ギターリフは変則的。

9. Fake

★★★★☆
蛮族の祭祀における祝詞の呟き、一神教の宗教曲のようなヴォーカルサウンド、更にはモンスター的咆哮まで様々に移り変わるジョナサンの声は圧巻。

10. Lies

★★★★☆
おどろおどろしさを極限まで志向するとこうなる。コーラス?のうなり声は壮絶。この曲もラストに向かうほど破壊的になるが、そのラストはこの世の全ての叫びと唸りが重ねられたかのよう。

11. Helmet in the Bush

★★★★☆
ラストのエフェクトされたスクリームはこの世で最も醜悪。

12. Daddy

★★★★☆
荘厳なサウンドから、地を這うおどろおどろしいサウンドへ移り変わり、そして最後にはジョナサンが号泣。


感想

この作品を聴いてから15年以上経ちましたが、今聞いても凄まじいなと思います。

大体のパイオニア的作品は荒削りなものが多く、二番手のものの方がクオリティが高いということがありがちですが、この作品に限ってはそれに当てはまりません。

おどろおどろしさを追求するバンド自体少ないとは思いますが、理念的にもサウンド的にもこれほどそれを志向し成功させた作品はないのではないかと思います。


関連情報

アルバム名 KORN
アーティスト名 KORN
発表 1994/10/11
評価 ★★★★★
メンバー Jonathan Davis, James "Munky" Shaffer, Reginald "Fieldy" Arvizu, Brian "Head" Welch, David Silveria
プロデューサー Ross Robinson


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