In the blink of an eye (of FACT)

In the blink of an eye
(2010/01/13)
FACT
★★★★☆
Amazonで詳細を見る

日本のロックバンド、FACTの3枚目のオリジナルフルアルバム。メタルやスクリーモ、ハードコアパンクが混在したサウンドながらも、90年代ジャパニーズロックの雰囲気さえも感じられるアルバムになっている。

前作『FACT』に比べメタルやスクリーモ的サウンドの比重は減り、それらは曲を展開させるエフェクトとしての役割が支配的になっている。ヴォーカルサウンドは、爽快感や空間的な拡がりが強調され、ギターもクリーンな旋律の部分が多くなり、曲がよりキャッチーになった。

しかし、ドラムビートの密集さとギターサウンドの独創性は相変わらず凄まじい。

注:スクリーモとはスクリーム(scream)とエモーション(emotion)から成る造語で、カオティックハードコアとエモーショナルハードコアから派生した音楽ジャンルである。ハードコアパンクにエレクトロニカサウンドを持ち込み、クリーンだが叙情的なヴォーカルサウンドで特徴づけられるエモーショナルハードコアと、スクリームヴォーカルを多用し曲調を激しく展開させるカオティックハードコアのクロスオーヴァーである。【ウィキペディア:スクリーモWikipedia: Screamo


In the blink of an eye

1. in the blink of an eye

★★★★☆
圧倒的な存在感のドラムビートによってファストに扇動され、変幻自在なギターサウンドによってカラーを次々と遷移させられるハードコアパンク。しかし楽曲は極めてキャッチーで、ヴォーカルへのエフェクトによる爽快感に拠るとこが大きい。

2. this is the end

★★★☆☆
ファストなロックとハードコアパンクが、強烈なリフに駆り立てられるように交互に展開。

3. slip of the lip

★★★★☆
【Music Video】
ヴォーカルサウンドのキャッチーさは、FACT 随一の楽曲。そして、バックグラウンドのギターサウンドはそれだけで鑑賞に堪えうるほどのクオリティを持ち、ドラムサウンドによる音圧増強効果も際立っている。ラストの B'z の Alone ×ブラストビートもまた FACT らしくていい。また、本曲におけるギターとドラムの効果音的サウンドも独創的。

4. silent night

★★★☆☆
ゴリゴリしたメタルサウンドで、スクリームヴォーカルも多用。しかし、空間的に広がっていくようなクリーンヴォーカルによって楽曲全体は清々しい。

5. dec 2

★★★★★
【youtube】
無個性なヴォーカルサウンドが、アバンギャルドなバックグラウンドサウンドにより最高な形で仕上げられた得難い楽曲。イントロと間奏に挿まれる個性的なねじくれたリフ、ギターの反響する旋律、密集したドラムビートと、音背景の全てが素晴らしい。

6. part of it all

★★★★☆
メタリックなメロコア的楽曲だが、日本のビジュアル系や歌謡曲の影響も色濃い。

7. 1-3 (instrumental)

★★★★☆
無人の近未来都市のような、デジタルだが寂しさも感じる音風景。

8. behind a smile

★★★☆☆
全曲のエレクトリックなサウンドを残しつつノイジーに幕開けるが、サウンドクリエートにより曲全体
は清涼感に溢れる。

9. fade

★★★★☆
独創的なバックグラウンドサウンドを持ったノイジーなギターサウンドのジャパニーズロック。

10. risk of disorder

★★★★☆
ミドルテンポのロックサウンドからファストなハードコアパンクへ展開する。

11. goodbye to good morning

★★★☆☆
ビジュアル系ロックっぽい。

12. sunset

★★★★☆
ファストなメロコアと清涼感のあるハイライトパートから成る楽曲。ハイライトの独創的なギターの旋律が極めて印象的である。


関連情報

アルバム名 In the blink of an eye
アーティスト名 FACT
発表 2010/01/13
評価 ★★★★☆
メンバー Hiro/小野瀬広宣, Kazuki/櫻井一樹, Takahiro/小野瀬孝弘, Tomohiro/高安朝浩, Eiji/松本英二
プロデューサー Michael "Elvis" Baskette


関連リンク

Amazonへのリンク

iTunesへのリンク


スポンサーリンク
スポンサーリンク