Against the Grain (of Bad Religion)

Against the Grain
(1990/11/23)
Bad Religion
★★★★★
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アメリカのパンクロックバンド、Bad Religionの5枚目のアルバム。メロディック・ハードコアの一つの源流とみなされるバンドである。

音楽性としては、疾走感のある泣きのメロディや格調高く重厚なボーカルハーモニー、味わい深いギターソロなどが特徴的である。

また歌詞は、政治・宗教など国民の社会的責任に深く関係したものが多く、同時に難解なことでも知られる(ボーカルのGreg Graffinはコーネル大学で生物学の博士号を取得、UCLAで講師も務める。)。

特に本作は、余分なものを削ぎ落としたような洗練された楽曲が多く、深い哲学感を感じる曲まである。また、全17曲と曲数が多いが、ほとんどの曲が2分ほどなので、長さや飽きは感じられないはず。【Wikipedia: Bad Religion,Wikipedia: Against the Grain,ウィキペディア:バッド・レリジョン


Against the Grain

1. Modern Man

★★★★☆
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渋い泣きのメロディを奏でるギターが印象的な、疾走感のある洗練された楽曲。

2. Turn on the Light

★★★☆☆
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躍動感あるメロディに、ひねりのきいた歌唱とギターソロが調和した楽曲。

3. Get Off

★★★☆☆
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4. Blenderhead

★★★☆☆
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5. Positive Aspect of Negative Thinking

★★★☆☆
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矢継ぎ早に繰り出されるボーカルが爽快な57秒のショートチューン。

6. Anesthesia

★★★★★
YouTube】 【歌詞和訳
流れるようなメロディは哀愁を含みながらも理知的で、普遍性を持ちながらも他では聞けない奥深さがある。そしてまた、畳み掛けるように早口で歌われる言葉の韻も素晴らしい。さらにラストの終奏では、西洋の規律的なサウンドをバックに、鹿威しのような変則的なリズムの太鼓音を聞くことができるが、これが日本的な揺らぎの幽玄美といった趣を持ち、寺社仏閣で感じるような静謐な音響空間を生み出している。

7. Flat Earth Society

★★★★☆
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「ライライライ」とハーモナイズする斬新な三部合唱で始まる本曲は、胸に迫る緊張感のあるメロディで聴くものを真摯な気持ちにさせる。

8. Faith Alone

★★★★☆
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ミドルテンポの威風堂々とした楽曲。

9. Entropy

★★★☆☆
YouTube】 【歌詞和訳
エントロピーという諸行無常を体現した物理量を曲名とする。

熱力学の第2法則が述べる「エントロピーは増大する」という法則は、「秩序状態は無秩序状態へと崩壊し、宇宙は熱的死へと向かう」と言い換えることが出来る。この歌詞には、その法則下における人間存在の悲哀が込められているかのように思える。

10. Against the Grain

★★★★☆
YouTube】 【歌詞和訳
カッティングギターによる疾走感をバックにしたサウンドは、淡々と、しかし徐々に高まっていく。

11. Operation Rescue

★★★☆☆
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12. God Song

★★★★☆
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サウンドはシンプルだが、歌唱のメロディとギターソロは極めて良質で叙情的。

13. 21st Century (Digital Boy)

★★★★★
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コーラスのハーモニーが美しいミドルテンポな楽曲。また本曲は、後の『the Stranger Than Fiction』にも再録、シングルカットされ、商業的に成功した作品でもある。

14. Misery and Famine

★★★☆☆
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15. Unacceptable

★★★☆☆
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16. Quality or Quantity

★★★☆☆
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17. Walk Away

★★★★★
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玄人好みの洗練されたメロディとコーラスが秀逸で、上空に駆け上がるような爽快感のある楽曲。


感想

私の若かりし頃の神であったBad Religionの、最も勢いのあった頃の作品です。


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