Follow the Leader (of KORN)

Follow the Leader
(1998/08/18)
KORN
★★★★★
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アメリカのメタルバンド、Kornのサードアルバムで、アメリカレコード協会から5.00Xマルチプラチナ認定(500万枚)された。【RIAA

極限まで不吉さや重苦しさを志向した『KORN』、滅茶苦茶な叫び・唸りなどのアバンギャルドな部分を先鋭化した『Life is Peachy』に続く本作は、前2作の新奇な部分をインダストリアルの方法論によって再構築し、キャッチーな形にサウンドクリエイトした作品と言える。

曲の色合いもスペクトルが広く、リフを強調したグランジ的な『Justin』や『Seed』、ヒップホップの大御所とフィーチャーした『Children Of The Korn』、『All in the Family』、『Cameltosis』など全2作には聴けなかった種の曲もある。

また本作ではプロデューサーが前2作までのRoss Robinsonから、 Steve ThompsonToby Wrightに変わっているためか、サウンドの粒度が下がり、クリアーかつソリッドな仕上がりになっている。【Wikipedia: Follow the Leader (Korn album)

Ross Robinson: ラウドロックが中心。Slipknot, Limp Bizkit, Machine Head, Sepultura など。【Wikipedia: Ross Robinson

Steve Thompson: 幅広いジャンルを扱う。 Guns N Roses, Madonna, Public Enemy, Metallica, Red Hot Chili Peppers など。【Wikipedia: Steve Thompson

Toby Wright: メタルやグランジを多くプロデュース。Alice in Chains, Metallica, Sevendust など。【Wikipedia: Toby Wright


Follow the Leader 

1. It's On

★★★★☆
歌詞和訳
重いサウンドに不穏な雰囲気を醸す電子音、エフェクトが掛けられた歌唱やコーラスなど緻密に構成された楽曲。不穏な静のサウンドを破るリフもまた磨きがかかっている。

2. Freak on a Leash (5th single)

★★★★★
Music Video】 【歌詞和訳
不気味なサウンドで始まるが、サビはキャッチーなグランジ。2分半から、曲は怒涛のKORN的原始音楽へと展開。ここではある意味洗練されたインダストリアルなサウンド、リフ下で、ジョナサンのカオスな音列を聴くことができる。

3. Got the Life (2nd single)

★★★★☆
Music Video】 【歌詞和訳
アップテンポで聴きやすい、洗練された楽曲。独創的なベースラインが、疾走感とグルーブ感の明滅をコントロールしている。

4. Dead Bodies Everywhere

★★★☆☆
歌詞和訳
ファーストに近いサウンドだが、ギターが後方に下がり、ボーカルが全面に出ているので重苦しさはそれほどない。

5. Children Of The Korn (with Ice Cube) (3rd single)

★★★★☆
歌詞和訳
陰鬱なヒップホップに、ジョナサンの無茶苦茶な歌唱を、サンプリング的に挿入し作り上げたような楽曲。KORNの特異な部分を最大限利用した面白い試み。

6. B.B.K. (4th single)

★★★★☆
歌詞和訳
くっきりとした静と動のサウンドコントロールや凝ったサウンドエフェクトなど、極めて高品質な楽曲。やっぱりこの曲も、2分後半から例のカオスな呪詛が挿入されている。

7. Pretty

★★★☆☆
歌詞和訳
幻惑的なサウンドに、ディレイやリバーブに通されたジョナサンの取り憑かれたような歌唱。

8. All in the Family (with Fred Durst) (1st single)

★★★★☆
歌詞和訳
気怠いヒップホップのAメロ、ジョナサンが禍々しく呟くBメロ。要所要所にサンプリング的に挿入されるジョナサンの呟きが気色悪い。巨大な化物に追われているような、イントロとサビのサウンドが面白い。

9. Reclaim my Place

★★★★☆
歌詞和訳
イントロとサビの、扇情的でファストなギターリフと、ガチガチと音を震わすベースが抜群。

10. Justin

★★★★☆
歌詞和訳
奇妙にエフェクトしたギターフレーズで始まり、「Fuck all that bullshit!」の叫びでソリッドなリフに移行するイントロダクション。個人的にはこれだけで、かなりの高評価。

歌詞は、死にゆくある少年について語られている。

11. Seed

★★★★★
歌詞和訳
グランジ的な分厚いギターリフ、サビのクリアーな歌唱など極めて聴きやすい楽曲。しかしやはり、3分後半からのジョナサンの呪詛がこのバンドの特異な部分である。しかもこの曲では、奇妙にサンプリングされていて、その気持ち悪さがなんとも言えない。

歌詞は、ジョナサンの息子への思い、湧き上がる感情について綴る。

12. Cameltosis (with Tre Hardson)

★★★☆☆
歌詞和訳
中東風サウンドをバックにしたラップパートと、夜のジャングルのようなカオスなサウンドをバックにした歌唱パートが交互に続く。個人的にはラップパートが淡々とし過ぎて不満だが、ジョナサンの奇妙な歌唱メロディが奇抜。

危険な女に性的に溺れていく様子が綴られた歌詞。

13. My Gift to You

★★★☆☆
歌詞和訳
バグパイプで始まる、スローテンポでシンプルなサウンド。歌唱は、ジョナサンの醜い呟きに始まり、悪魔崇拝の儀式で歌われるような焦点の合わないメロディ。そしてジョナサンは壊れていく。

10分後半からシークレットトラックがあり、人を小馬鹿にしたような曲。


関連情報

アルバム名 Follow the Leader
アーティスト名 KORN
発表 1998/08/18
評価 ★★★★★
メンバー Reginald Arvizu, Jonathan Davis, James Shaffer, David Silveria, Brian Welch
プロデューサー Steve Thompson, Toby Wright


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